大原茶屋

住まいのコンセプト

施主様が生れ育った家。その後は三千院傍という立地を活かして茶屋を運営されていた建物。たくさんの思い出が詰まった家が朽ちてしまうのは忍びないと大掛かりな改修に踏み切られました。外装は文化財指定のため意匠は変えず塗り替えや建具の新調のみ。内部はご家族や地域の方にも使ってもらいたいとお考えでゆったり広々した空間を活かしています。古い建物故、柱の足元は全てやり直し、耐力壁を新設するなど今後も健全に立ち続けられるよう工夫しています。もともと水回りは付属していなかったため、浴室・洗面所・トイレは建物内部に配置し、使い勝手にも配慮しています。天井・囲炉裏・建具・照明器具等可能な限り再利用し、かつての趣きを継承しています。南北両側にある縁側からはそれぞれ違った景色の庭が楽しめる開放的な古民家です。
(設計士:市川由美子)
広間。
囲炉裏も修復。

キッチン。ダイニングテーブルも既存の家具をリメイクしています。
玄関土間。小屋裏には防風障子を新設しました。
設計期間2019年 3月から2020年3月
工事期間2020年 5月から2020年10月
構造規模木造平屋(築200年) 登録有形文化財指定
改修項目屋根・・・茅葺補修 瓦屋根葺き替え
外壁・・・木部塗り替え 木製建具新調
内部床・・足固め新設の上床組み
一部耐力壁を新設
洗面/便所/浴室・・・新設
キッチン・・・床張りの上に新設流し台
小屋裏に防風障子設置
囲炉裏を修復